出版不況の中、今年過去最高の48万部が売れた月刊誌「ハルメク」。
「50代から」を掲げる女性誌で、書店では買えず定期購読のみという形を取っています。
女性誌では圧倒的なナンバーワンだそうです(10/22朝新聞「be」)。
ハッピービジネス
「ハルメク」の前身はシニア誌の「いきいき」でしたが、14万部と低迷していました。
そこにヘッドハンティングされたのが、主婦と生活社で女性誌の編集長をしていた山岡朝子さん(48歳)。
彼女によると、「ハルメク」には社内に埋もれた宝の山があったそうです。
それは、
・毎月、詳細な感想とともに返ってくる2千枚以上の読者はがき。
・読者の満足度を記事別に細かく調べて分析する社内のシンクタンク。
山岡さんは、これまで関わってきた雑誌ごとに、自分の中に仮想の読者「花子さん」を作り、その語りに耳を傾けることで雑誌づくりをしてきました。
山岡さんが「ハッピービジネス」と呼ぶ雑誌づくり。
年齢を重ねれば心配なことは出てきて当然だけれど、「ハルメクによれば何とかなる方法があるらしい」「いろんなことを楽しんでみたい」という気持ちになってもらいたいと語っています。
ウェブ上の居場所
「ハルメク」はもともと読者参加型のイベントや講座が充実していたものの、コロナ禍になりオンライン開催にしたところ、地方の人も参加できるようになったとか。
「この年になってこんなに楽しいことに参加できるとは思わなかった」というこれがあったそうです。
そこでウェブサービス「ハルメク365」を開始。
周りに友達ができづらい地域に住む人や、介護で家から出られない人が、ウェブ上に居場所ができてコミュニティーのような新しい提案ができるのではないかと、山岡さんは考えているそうです。
調査も
「ハルメク365」をのぞいてみると、いろいろ盛りだくさんな記事があります。
「奇跡の60代」と言われる人のケア方法とか、カーデガンの着回しコーデ、エッセーの連載から、医師に聞く認知症チェックなどさまざまです。
そして、ところどころに「会員限定」の記事や動画があって、会員には有料と無料(お試し)があるようです。
調査もしている「ハルメク」では、以前に「夫婦仲が悪いとへそくりの額が多くなる」という結果を読んだことがあります。
最近では、「シニア女性は押し活にいくら使っているか」という調査をしていました(平均9万円だそうです)。
雑誌も調査もおもしろそうです。
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