NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、脚本家は三谷幸喜氏です。
三谷さんは「当て書き」で脚本を書くそうです。
朝日新聞に連載しているエッセイ「三谷幸喜のありふれた生活」を読みました。
当て書きとは
当て書きとは、演じる俳優さんに当てて、その人がどんなことをしたら面白いか、どんなセリフを言ったら格好いいか、などを想像して脚本を書くことだそう。
当て書きというと、俳優さんの普段の性格を踏まえて、その俳優さん自身の個性を役に反映させることだと思う人が多いらしいですが、これは間違い。
三谷さんは、そこまで「鎌倉殿」に出ている俳優さんたちを知らないそうです。
菅田将暉さんとはパーティ会場のトイレで一度挨拶しただけ、新垣結衣さんとはNHKの会議室で15分ほどお話しただけ、なのだとか。
役の個性イコール演じる俳優さんのキャラではないということです。
豪快な和田義盛役の横田栄司さんは、本来は物静かな紳士。
登場人物を殺して回る善児役の梶原善さんは、きれい好きでお洒落で頭の回転が早い人だそうです。
山本耕史さんのセリフ
私は「鎌倉殿」を見ていないのですが、夫が見ているので目に入ることもあります。
以前の回で、三浦義村を演じる山本耕史さんが「色恋は振られてからが勝負だ」と言っているのをたまたま見たことがあります。
山本耕史さんは、奥さんの堀北真希さんと結婚する前に振られてもアタックし続けたことが話題になりました(手紙40通とか)。
そのことを踏まえてのセリフだと思って、こういう脚本の書き方をするのかと感心したのですが、実は違ったそうです。
三谷さんによると、山本さんのエピソードは知っていたけれど忘れていたそう。
もし覚えていたらこのセリフは書かなかったと書いています。
「そこまで俳優のプライベートな部分に寄り添うのは「当て書き」ではないし、ちょっと品がないからだ」。
そして、
「山本さん、申し訳ありませんでした!」
と謝っていました。
脚本を読んだ山本さんは、プライベートなことをネタにされていると思ったかもしれません。
悪いことしたわけじゃないから気にはしなかったかも。
ただ山本さんの話は、普通に真に受けて真似されたらかなり危ないことになりそうではありましたね。
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