ノンフィクション作家の桐島洋子さん(85歳)が認知症であることを公表されたそうです。
お子さん達が悩みつつも、6月に刊行された書籍で公表されたとのこと。
桐島洋子さん自身より、お子さんのほうが多くの人になじみがあるかもしれません。
長女のかれんさん、次女ノエルさん、長男のローランドさんの三人のお子さんがいます。
「婦人公論」9月号に載っていた、長女かれんさんと次女ノエルさんの対談を読みました。
ノエルさんが同居
洋子さんがアルツハイマー型認知症と診断されたのは7年前。
その1年前くらいから、家族で旅行した際、ホテルの部屋をいったん出ると自分で戻れなくなったりしていたそうです。
カナダのバンクーバーに住んでいた次女のノエルさんが洋子さんを呼びよせて同居します。
ノエルさんが離婚してシングルマザーになったとき、精神的にも経済的にもお母さんの援助を受けたからという思いがあったためとか。
ところが、認知症の症状が急激に進んだことで、住み慣れた日本で暮らす方がいいかと考え、かれんさんの家に近いマンションで二人で住むことに。
でも今度はノエルさんが自然の多い場所でないと暮らせないと感じて鎌倉へ引っ越し。
ノエルさんは「お母さんが退屈しているんじゃないか」、「お友達を呼んだら楽しいかも」などいろいろ考えすぎるたちだそうで、期待した反応が得られないとがっくり落ち込んでしまう。
6年に及ぶ同居生活で疲れ切ってしまい、「同居を解消してカナダに帰りたい」と相談したところ、かれんさんはすぐに賛成してくれたと言います。
今は、横浜のマンションをバリアフリーにリフォームして、優秀なヘルパーさんに常駐してもらい、洋子さんはとても穏やかに暮らしているそうです。
等しく降りかかる
かつて、既婚のアメリカ男性との間に子どもを産み、「未婚の母」となった洋子さん。
数々の本を出版するなどして活躍されました。
三人のお子さんも、かれんさんはモデルやファッション関係の仕事をし、ノエルさんはエッセイスト、ローランドさんは写真家として、それぞれ忙しく過ごしています。
対談を読むと、母子の関係はいつも順調だったわけではなく、それなりに葛藤やわだかまりもあったようです。
桐島三きょうだいは仲がいいので母親のことについて互いに相談しやすかったようで、そこは羨ましいです。
でも子どもが複数いてもお金があっても、認知症になるかならないかも含め、どう年老いていくかは誰でも等しく降りかかる問題なのだなあと思います。
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