NHKで放送されている「カールさんとティーナさんの古民家村だより」が書籍になっていました。
すぐに流れてしまう映像と違い、美しい風景の写真をゆっくり楽しむことができます。
2020年11月から2022年3月に放送された番組を、季節ごとにわけて編集した本になっています。
古民家再生
ドイツ生まれのカールさんが初めて日本に来たのは24歳のとき。
7年間滞在した後ドイツに戻り、日本建築の内装デザインや、日本の古民家をヨーロッパに移築する仕事をするようになります。
その後50代になってリタイア後の住まいを探していたカールさん、偶然訪れた新潟県十日町市竹所で朽ちかけた古民家に出会います。
骨組みを生かしながら再生させた古民家は「双鶴庵」と名付けられ、壁の色は妻のティーナさんのリクエストでバラ色に。
カールさんが再生させてきた古民家は、今や全国に60軒にもなるそうです。
「日本人は手の中にある宝石をなぜ捨ててしまうんでしょう」というカールさんの言葉が耳に痛いです。
ティーナさんの料理
ティーナさんはアルゼンチン生まれで、父はドイツ系、母はイタリア系。
さらにキャビンアテンダントとして世界中を訪れていたので、ティーナさんの作る料理は母の味をベースに、各国の料理や食材を取り入れているそうです。
本にはティーナさんの料理レシピも載っています(材料と作り方だけで、食材や調味料の分量は載っていません)。
アルゼンチンの田舎風シチュー、サーモンとアボカドのタルタル、パンツァネッラ(カリカリに炒めたパンを入れるサラダ)、ビーツのカルパッチョやカボチャサラダ、きのこの玄米リゾット。クリスマスにはプフェッファクーヘン(ドイツのお菓子)。
双鶴庵のテーブルに並べられた料理の数々、とてもおいしそうです。
集落のいいところ
新潟というと豪雪地帯。
冬は雪かきに追われる生活で、竹所の人たちも雪が大嫌いだったそうです。
でも、カールさんは雪が大好き。
「こんなきれいな世界はない」といつも言っているのを聞いているうちに、集落の人たちもだんだんそんな感じになってきたとか。
カールさんは古民家を再生するだけでなく、牛小屋や農作業小屋を塗り替えてきれいにしたり、広場を整備したり、水飲み場を作ったりと、村全体の景観をよくすることにも取り組んできました。
すると集落の人にも村を大事にするという気持ちが生まれたそうです。
以前は放置されていた、壊れた農機具をみんなで片づけたり。
カールさんが再生しているのは家だけではないのですね。
番組のDVDも発売されています。
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