高給な仕事に就いても高価なものを購入しても、そうしたことは幸せを感じることとは関係がないそうです。
イェール大学のサントス教授によると、人は生まれながらあるバイアスを抱えているため、人生で起こる素晴らしい出来事を喜び、感謝する気持ちを継続させることを難しくしているとか(lifehackerの記事より)。
そのバイアスは2つあります。
快楽順応
1つ目は心理学用語で「快楽順応」と呼ばれるもので、何度も繰り返して起こることに脳が順応してしまう癖があることです。
一流企業に就職できたり、新しい家や車を購入した瞬間は嬉しい気持ちでいっぱいになりますが、しばらくするとその気持ちは徐々に薄れていき、その状態を当たり前のものだと感じてしまうようになります。
他人との比較
2つ目のバイアスは、どうしても他人と比較してしまいがちなこと。
サントス教授はオリンピック選手のメダリストの幸福度についての研究結果を例にあげています。
その研究によると銀メダルを獲った選手より、銅メダルを獲った選手のほうが幸福度が高いという結果が出たそうです。
銀メダルの選手は、おそらくもう少しで手が届かなかった金メダルに執着しています。
銅メダルの選手は、あとひとつ順位が下がっていたらメダルを獲れていなかったかもしれないと感じていて、そのため今手にしている結果に感謝できているのではないかと考えられるとのこと。
人はどうしても、そのときに最も目立っている比較基準に注目しがちで、さらに自分よりもいい結果を出しているものに注目しがちなのだそうです。
対処法
最初のバイアスに対する対処法として、「長く持たないものにお金と時間を投資することが有効」だと述べています。
例えば旅行は数日あるいは数週間で終わってしまいますが、そこで体験したことや想い出はずっと記憶に残るからです。
また、いま自分の置かれている立場や持っているものに感謝する時間をつくることも効果的だそうです。
身の回りで感謝したいことを日記に書くとか、1日の中でほんの少しでも感謝する時間を作るとか。
2つ目のバイアスへの対処法は、自分が当たり前だと思っているものがない状況に半ば強制的に身を置いてみる、それが難しければ「○○がもしなかったとしたら」とイメージしてみる。
これによって、今ある身の回りのものに感謝の念が生まれるそうです。
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