日本人は正確性には定評がある一方、チャレンジ精神に欠けると言われます。
脳科学者の中野信子さんによると、日本人の脳には3つの特徴があるそうです。
世界で一番心配性が多い
これは遺伝子で決まっているそうです。
セロトニンは安心感の源だったり、将来のことをあまり心配せずに楽観的に物事を見るような働きをする物質です。
このセロトニンがいったん神経から出た後に再吸収してリサイクルする、セロトニントランスポーターというたんぱく質の機能が日本人には低いとのこと。
つまり、安心感を与えるセロトニンの量が少ないために心配性が多いそうなのです。
こうした心配性の人の割合を世界的に見ると、欧米では半分以下、南アフリカでは30%もいないのに対して、東アジアでは70%を超えている。
日本・韓国・中国の中では、日本が80.2%と一番多くなっています。
中野さんによると、心配性な日本人は、準備したり練習したり、よくないところをよくしようと努力することを一番する民族でもあるということです。
世界一正確性を重視する
意思決定には二つのシステムがあります。
一つはXシステムで、反射的に行われるもの。
もう一つはCシステムで、正確に計算して決めるので少し遅くなる。
日本人は心配性なので反射的に意思決定を行うときにブレーキをかけやすく、Cシステムで決めることが多いとか。
その典型が列車運行です。
山手線の一周を何日間か重ねるとブレが出てきますが、10日間重ねた結果ブレは15秒だったそうです。
世界一失敗を嫌う
ドーパミンは快感や幸福感を与える神経伝達物質で、それを受け取って脳に伝えるのがドーパミンレセプターです。
このレセプターのスイッチの入り方には人によって差があります。
スイッチが入りやすい人は少しのドーパミンで楽しくなったり満足感を得られやすい。
でも入りにくい人の脳はドーパミンがたくさん必要で、新しい刺激やリスクを取ったり、チャレンジをしないと満足できません。
スイッチが入りやすい人は南米では40%、アジアでは数%、日本には一番少なくて1%いない。
そのため、チャレンジを嫌って回避するという性格になります。
失敗しないことが満足である日本人に対し、南米ではチャレンジしないことにストレスを感じるそうです。
このことへの対処法として、失敗をチャレンジの失敗として捉えるのではなく日常のこととして捉える練習が必要だと言っています。
失敗も想定内にしておいて当たり前のこととしてやっていくということです。
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日本人の脳にこんなに顕著な違いがあったのですね。
これではいくら「チャレンジしろ!」と号令掛けてもうまくいかないでしょう。
脳の特質をうまく利用しなくてはいけないですね。
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