人生に努力は必須、と信じてきました。
たとえ持って生まれた才能がなくても、努力さえ怠らなければある程度のレベルまで向上することができるはず(自分は努力できたかはさておいて)。
ところが、「努力できる」かどうかは生まれつき決まっているそうなのです。
脳科学者の中野信子氏が書いた「あなたの脳のしつけ方」(青春文庫)を読みました。
脳の構造の違い
コツコツと努力を積み重ねることで伸びる分野は、楽器、語学、スポーツ、受験勉強、絵を描く技術などがあります。
こうした分野で一流と呼ばれるくらいになるには、それこそ膨大な時間を練習時間に当てて努力しなくてはいけません。
彼らがそこまで頑張れるのは、そもそも脳の構造の違いによるところが大きいそうなのです。
そして、そうした「努力できる」才能は、生まれつきなのだということです。
実際、コンサートなどで生計を立てられるようなエリート音楽家と普通の音楽家の、両者で何が違うのかを調べると「練習時間」だったという研究結果があります。
エリート音楽家は20歳になるまでに平均1万時間を練習に費やすのに対し、普通の音楽家はそれより数千時間少なかったのです。
音楽でもスポーツでも何らかの分野の才能に加えて、努力できるという性質も持って生まれてきた人が、一流とよばれるような人になれるというわけですね。
「努力できない」という才能
ところで、「努力できる」ことが生まれつきなら、そんな遺伝子を持たずに生まれてきた人は、どうすればいいのでしょう。
中野さんに言わせると、そうした人は「ムダな努力をしない才能に恵まれている」ということだそうです。
つまり「ものごとを効率よくこなす」ことに長けているのです。
例えば、毎月の売り上げの集計や統計グラフを頼まれた人が、作業が面倒くさいあまりに自動的に作成されるプラグラムを作るとか。
膨大なあて名書きの作業を、会社のアルバイトの人にごはんを1回おごることで任せてしまうとか。
「面倒くさい」と思う感情は大切にすべきもの、とありました。
面倒臭いという気持ちを、何をするにもしょっちゅう感じている私。
この性格を恥ずかしがる必要はないってことですね(よかった)。
努力したいときは
努力できない人でも努力できる方法があります。
・努力することで得られるごほうびを、脳にしっかり認識させる。
・ネガティブな感情を活かす(キレイになって振ったアイツを見返してやる!)
・努力をゲーム化する(レベルごとにクリア条件を設定するなど)
中野さんが東大に受かったとき、受験勉強をうまくゲーム化できたため全然苦しくなかったそうです。
私自身、何を始めても中途半端に終わってしまって、そんな自分の「努力不足」をいつも残念に思ってきました。
でも、脳の構造が原因なら自分を責める必要はありませんね。
もっと他にできる事があるかもしれないと、前向きな気持ちになりました。
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