誰かを応援したり励ましたりすると、応援した側も向上するという研究結果があるそうです。
サッカーのワールドカップで日本代表を応援していた(ただハラハラしていただけとも言える)私にとっては嬉しい内容です。
後輩へアドバイス
米・ペンシルベニア大学のエクスクレイス=ウインクラ―たちの研究は、公立高校2000人を対象に実施されました。
後輩に対して学習場所や学習戦力について8分間のアドバイスを行ったグループと、そうでないグループに分け、さらに前者には後輩へやる気を促進するような手紙を書いてもらいました。
そして、学期末テストの成果を比較したところ、少しではあるもののアドバイスを送った生徒たちの学力が伸びている傾向がみられたそうです。
認知的不協和
研究チームはこの結果の理由として「認知的不協和」がポイントだと考えています。
「認知的不協和」とは、人間が矛盾する認知を同時に抱えたときに覚える不快感を表す心理学用語です。
例えば、「禁煙する」と決めたにもかかわらず不可能だったとき、「急に止めるのも良くない」などと自分を納得させたりすることを指します。
気持ちの上で一貫性を保つため、「私は○○だから」「誰かが△△と言ったから」など自分を正当化する言い訳をしてしまうのは、認知的不協和を解消したいから。
後輩を励ました手前、自分も結果を出さなければ格好がつかない、ということで、期待した側もいつもより頑張って向上したのではないかと推測しています。
応援の仕方によるかも
なるほどとは思うけど、これが言えるのは応援対象が勝った(向上した)ときだけではないでしょうか。
W杯で言うと、日本代表がドイツやスペインなど強豪に勝ってジャイアントキリングなんて言われているのを目にすると、「自分も何かができそうな気がする。頑張ろう」と思った人は多かったかも。
でも、2戦目のコスタリカに負けたときには、「自分も頑張らなくては」とはなかなか思えなかったんじゃないでしょうか。
相手を応援→(期待を裏切らないよう)自分も向上、という形に持っていくには、もっと深く対象に関わる必要があるのかもしれません。
勝てば騒ぎ、負ければディスる、という応援方法ではダメですね、きっと。
コメントを残す