経営者や起業家、アスリートなど、それぞれの世界でのトップランナーに取材した「成功の本質」を書いた本を読みました。
上坂徹「成功者3000人の言葉」(知的生き方文庫)です。
面白いと感じたところをご紹介します。
会社は五感で選ぶ
あるフランス人のキャリアデザイナーは、
「会社は“五感”で選ぶのがいい」
と言っているそうです。
評判よりも自分の目で見たオフィスの印象を重視する。
ホームページの紹介文ではなく、面接官の言葉や話し方から会社の「正体」を探る。
ところが、彼に言わせると日本人はこの五感がびっくりするほどダメになっていると。五感が死んでしまっていると言ったそうです。
五感を目覚めさせ鋭敏にするには、季節を感じ、自然を感じること。
森や公園に出かけ、深呼吸し、風を感じ、鳥の声に耳を傾け、旬のものを食べる、ことだそうです。
このキャリアデザイナーの言ったのは会社選びに関してですが、他のことでも言えるかもしれません。
運をつかめた人の条件
20年以上、芸能界のトップランナーのひとりとして活躍しているタレントさんは、「実力1割、運が9割」と言っていたそうです。
同時期に出てきた人たちには、より優れた技術を持った人がいくらでもいた。
しかし、芸能界に残れた人はわずかしかいなかった、と。
同じようなことを、日本代表に選ばれたことのあるサッカー選手も言っていたそうです。
自分よりサッカーのうまい選手はたくさんいた。
でも彼らはその後、プロになれなかったし、日本代表にも入れなかった。
もともと力があったのに運をつかめた人と、つかめなかった人とは、何が違ったのか。
タレントさんとサッカー選手はまた似たことを言ったそうです。
ひとつは辛抱できたかどうか。
いくら力があっても、すぐにいい思いはできない。
そこで我慢しなければいけないのに、脱落してしまう人が多い。
もうひとつは向上心。
常に自分を上向かせようという意思。
自分の才能を過信したら、努力もできず、実力をさらにアップさせることはできません。
活躍する場が違っても、チャンスをつかめる人のやっていることは似ているのですね。
「絶対」は使わない
あるベンチャー経営者は、
「絶対という言葉を使う人間を信用しない」
と言っていたとか。
確かに世の中には「絶対」と言い切れることなんてありません。
「人の話の聞きかじりを吹聴したり、受け売りをする人間に限って絶対という言葉を使いたがる」からだそうです。
著者の上坂氏が「絶対」を使うなという話を取材で聞いたのは、1度や2度ではないそうなので、言葉一つの使い方にも慎重になる人が多いのですね。
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