「テルマエ・ロマエ」というマンガがヒットしたヤマザキマリさんは、一風変わった経歴の持ち主です。
14歳でヨーロッパを一人旅し、17歳でイタリア留学をし、フィレンツェ在住時に同棲して妊娠、別離、シングルマザーになり、その後結婚。
生活費を稼ぐために漫画家になり「テルマエ・ロマエ」がヒットします。
でも、これらはなにひとつ自分が望んだり、憧れた結果ではないそうです。
「55年の人生はおよそ自分の思い入れや目的とはまったく関係のない経験によってできている」と言っています。
やりたいことを持たない
「この先どんなことをやってみたいですか」という質問を受けることがあるそうですが、「やりたいことなんてありません。なぜなら、自分の意志とは関係のない出来事が絶対に起こるからです」と答えるそう。
これを読んで、小林正観という人の本にあった通りの生き方だなと思いました。
正観さんは、「やるはめになったことを、ただ淡々と黙って笑顔でやっていく」と書いています。
思い(自我)を持たず、「おまかせ」していると、悩みや苦しみは生じない。
そして流れが見えてきて、人生が面白い方向に展開していくそうです。
本を読んだときは、「そんな人いる?」と思いましたが、ヤマザキさんの生き方はまさしくこれですね。
ただ、漫画家になりたくてもなれない人から見たら、「生活費を稼ぐためにマンガを描いてそれがヒットし、数々の賞を受賞して映画化までされた」ことを自分が望んだり憧れた結果ではないと言われると、素直に聞けない場合もあるのではないかと思ってしまいます。
知り合った人の孫と結婚
ヤマザキさんが14歳でヨーロッパに行った時、パリからドイツに移動する際に、老齢のイタリア人陶芸家に付きまとわれ、旅の理由が芸術の貯めであることを話すと、「すべての道はローマに通じる、イタリアを訪れないのはけしからん」と叱られたそうです。
その後、ヤマザキさんが35歳のときに出会って結婚したのは、このときのイタリア人陶芸家の孫だったそうです(ウィキペディアより)。
こういうのを読むと、誰かの手のひらの中にいるというか、何か大きな存在が流れを動かしているのかななんて思います。
ヤマザキさんはいい意味で力が抜けていて、人生の急な流れや大きなうねりを、ひょいっとうまく乗りこなす人、という印象を受けました。
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