10/11のEテレ「猫のしっぽカエルの手」で(2017年の再放送)、ベニシアさんがパウロ・コエーリョの小説の一節を紹介していました。
「あなたの夢を追いかけて あきらめず心から望めば それがかなうように 世界のありとあらゆるものが動き出してくれるから」
この言葉はパウロ・コエーリョの書いた「アルケミスト」という小説に出てきます。
夢を追いかける
「アルケミスト」はスピリチュアル系の寓話のような物語です。
スペインの羊飼いの少年サンチャゴは、エジプトのピラミッドのそばで宝物を見つけるという夢を二度見ます。
羊飼いを止めてアフリカの砂漠を渡り、ピラミッドを目指して宝物を見つけようとするというストーリーです。
少年はその時々で人生をどう歩んでいけばいいかを教えてくれる人物に会います。
それは年老いた王だったり、錬金術師だったりするのですが、彼らが幾度となく口にするのが番組で紹介されていた言葉です。
おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ。
前兆とテスト
彼らがもう一つ言っていたのが、「前兆に従うこと」。
何かを始めるとき、「初心者のつき」と呼ばれることが起こることがあるけれど、それはその人の運命を実現させようとする力が働くため。
神様が残してくれた前兆を読んでいくだけでいいのだと。
そして、夢の実現の前に、夢に向かう途中で学んだすべてのことをテストされるのだけれど、ほとんどの人はここで諦めてしまいます。
サンチャゴもピラミッドに辿りついたものの宝物は見つからず、その上ならず者たちに有り金を全部盗られ、袋叩きにされてしまうのです。
運命とは
本のタイトルの「アルケミスト」は錬金術師のことです。
少年を導く錬金術師は、最後のほうで金を生み出して見せます。
自分もいつかこの術を習うことができるかと聞く少年に、錬金術師は、
「これはわしの運命だ。おまえの運命ではない」
と言います。
別の場面で、ほかの錬金術師が金を作れなかったのは、彼らはただ金だけを探しているだけで、運命を生きたいとは思っていないからだと答えるところもあります。
物語の初めのほうで、少年は老いた王から「自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任である」と言われます。
運命とは、その人が本当にやりたいことなのでしょう。
ベニシアさんも、自分の運命はガーデニングだと思った時、コエーリョの小説の一節を励みにして努力したのかもしれません。
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