日本人の平均寿命は2020年度のデータでは男性81.6歳、女性87.7歳。
いっぽう健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳(2019年度)となっていて、男性でおよそ9年、女性では12年の差があります。
これを見る限り、長寿は素晴らしいとは言い切れなかったりもしますね。
希望寿命と死亡率
そのため近年では「希望寿命」という考え方が注目されているそうです。
希望寿命は「何歳まで生きていたいのか」を表す年齢。
この希望寿命と死亡率の関連性について検討した論文が発表されました。
この研究では40~64歳の日本人3万9902人が対象。
参加者に対して「何歳まで生きていたいですか?」という質問を行い、回答された希望寿命を「平均寿命より短い人」「平均寿命と同等の人」「平均寿命より長い人」の3つの集団に分けます。
死亡率に影響を与える年齢や性別、婚姻状況、健康状態などの因子について統計的に補正を行い、3つの集団の死亡率を比較。
25年間にわたる追跡調査の結果、死亡率は希望寿命が「平均寿命より長い人」に比べ、「平均寿命より短い人」で12%高いことがわかりました。
死亡率が増加する原因の約3割は、不健康な生活習慣によるものだった可能性も明らかになっています。
願うから長生き?
「長生きしたくない」と考える人は、「長生きしたい」と思っている人より死亡率が高いということです。
死亡率増加の3割が不健康な生活習慣によるものということは、長く生きたいと思わない人は食べ物や喫煙、運動などに気を遣わなくなっているのかもしれません。
「長生きしたい」と思っていれば、その通り寿命も延びるのだとしたら、気持ちの持ち方って大事なのですね。
親の年齢
「長生きしたい」と思うかどうかは、「親の年齢」の影響もあるのではないかと思います。
親が早く亡くなった人は、何となく自分もそう長くは生きられないと感じたり、だからこそ自分は長く生きたいと思うのではないでしょうか。
反対に、長生きの親を持った人は、根拠はなくても自分も同じくらいは生きるのではないかと思っているのでは。
逆に、長生きしたせいで苦労した高齢者が身近にいる人は、そこまで長生きしたくないと感じる人もいるかも。
私の父は93歳ですが、父の父はそれほど長生きせずに亡くなっています。
ということは、「長生きしたい」という強い思いがあるのかな、なんて思います。
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