「猫背の人は自尊感情が低い」という記事を読みました。
自尊感情というのは、「自己に対して肯定的な評価を抱いている状態、あるいは、自分自身を価値ある存在として捉える感覚」のことです。
猫背という身体の姿勢が、心の状態とどう関係するのでしょうか。
姿勢がよくない自覚があるので、ちょっとドキッとしました。
姿勢と心理状態の関係
姿勢と心理状態が大きく関係することが研究で明らかになってきているそうです。
身体心理学者の山口創氏は、猫背の度合いが高い人ほど抑うつ度が高く、自尊感情が低いという結果を明らかにしました。
アメリカの心理学者、オレナニ氏たちの研究によると、身体を縮めて小さく見せるポーズをとった人たちと、身体を伸ばして大きく見せるポーズをとった人達とでは、後者のほうが自尊感情が高くなるという結果になりました。
ジェームズ=ランゲ説
これらの結果は「ジェームズ=ランゲ説」という理論で説明できます。
この理論は、「刺激→情動→身体変化」ではなく、「刺激→身体変化→情動」という道筋を考えたものです。
「悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ」という言葉がよく知られています。
つまり、筋肉のパターンが脳に伝わることによって、そのような心のパターンに一致した心が作られるということです。
姿勢と心
カナダの健康科学者、ウィルソンとペパーは、自分にとって良い姿勢は、認知機能に影響を与え、周囲の情報を理解する力を高め、それによって自尊感情やポジティブ感情を引き出すことを明らかにしています。
良い姿勢の状態でいることは、心をよい状態にする効果があるということです。
思い込み
ずっと心が身体に影響を与えているものだとばかり思っていました。
例えば、嫌なことがあって落ち込んでいるときは俯き加減になるとか、テスト前に緊張のあまりお腹が痛くなるとか。
心の方が優位にあると、何となく思っていたようです。
まさか姿勢が悪いために、心の状態も悪くなるとは意外でした。
姿勢、大事なんですね。
「たかが姿勢」(たかが、という言葉がすでに軽視していますね)と思わずに、自分の心につながるものだと意識して、よい状態でいられるようにしたいものです。
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