愚痴の多い人は、嫌だったこと、腹の立ったことばかり話します。
その人は本当にそんなに嫌な目ばかりに遭っているのかというと、そうでもなかったりします。
嫌なこともあるけれど、いいことだって起こっているのです。
ただ、嫌なことばかりを覚えているため、自分には嫌なことしか起こっていないと思い込んでいるのです。
気分一致効果
心理学博士の榎本博明氏によると、こういうことが起こるのは、「気分一致効果」が関係しているそうです。
「気分一致効果」というのは、気分になじむできごとが記憶に刻まれやすいという心理法則のことです。
愚痴の多い人は、愚痴っぽくてネガティブな気分で過ごしているので、嫌な出来事ばかり記憶に残ります。
いいことも経験しているはずなのにあまり記憶されないのは、自分の気分になじまないからなのです。
愚痴の多い人は過去の記憶が前向きに整理されておらず、こういう人は過去を懐かしむことができないだけでなく、未来を夢見ることもできません。
未来予想図とは、過去の実績を元にして描かれるものだからです。
記憶するとき、思い出すとき
気分一致効果は、記名時(記憶に刻む時点)だけでなく、想起時(記憶を引き出す時点)にも作用することがわかっているそうです。
そのときの気分になじむ出来事が記憶に刻まれ、そのときの気分になじむ出来事が記憶から引き出されるわけです。
これは多くの心理実験によって証明されているそうです。
ポジティブな気分で過ごしていると、ポジティブな出来事を記憶しやすい。
ネガティブな気分で過ごしていると、ネガティブな出来事を記憶しやすい。
ポジティブな気分で過去を振り返ると、ポジティブな出来事を思い出しやすい。
ネガティブな気分で過去を振り返ると、ネガティブな出来事を思い出しやすい。
ということです。
予防するには
前向きな気分で日々を過ごすためには、
・気分がいいときに過去を振り返る。
・気分の悪いとき(落ち込んでいるようなとき)は決して過去を振り返らないこと。
こうすることで気分をポシティブに保ち、ネガティブな出来事を思い出さずに済みます。
常に前向きな気分でいられる人は、自然にこうした記憶との付き合い方ができているのだそうです。
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なかなか耳が痛い話でした。
私は愚痴はそれほど言っていないはずですが、嫌なことをよく思い出します。
つまり過去のその時点でもネガティブで、今もネガティブな気分でいるから、なのでしょうね。
気を付けなくては。
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