ジャレド・ダイアモンド氏は、アメリカの進化生物学者、生理学者、生物地理学者です。
ピューリッツァー賞を受賞した「銃・病原菌・鉄」という著書で、「西洋が優位に立ったのは人種の優劣ではなく地理的な要因だ」ということを示しました。
コロナ後の日本が抱える問題について、ダイアモンド氏が「コロナ後の世界」という本で語った内容を紹介します。
人口減少はアドバンテージ
日本の抱える問題の一つが人口減少です。
ダイアモンド氏は、問題なのではなく、むしろアドバンテージであると言います。
外国の資源に頼っている日本にとって、人口が減るとその分必要な資源も減ります。
人口が減ると経済力が落ちるのではという心配に対しては、日本よりも人口が少ないにもかかわらず経済的に成功している国を参考にあげています。
オーストラリア(2500万人)、イスラエル(850万人)、シンガポール(580万人)、フィンランド(550万人)など。
そして、高齢化による若者への負担については、
「日本の高齢者の健康状態は「エクセレント」ですから、世界のどこよりも若者への負担は少ない」
のだそうです。
移民の前に女性を
少子高齢化は世界的な傾向だけれど、日本よりも出生率が低い国も、日本ほど心配しているようには見えない。
少子高齢化によって減少する労働力を、移民を受け入れることで補っているから、だそう。
ただ、日本のような比較的均質な社会が移民を受け入れるとデメリットも多いだろうから、移民を考えるより前に考えるべきなのは、女性である。
女性を家庭から解放すれば、人口の半分を占め、教育レベルが高くて健康な労働力を手に入れることができると言っています。
近隣諸国との関係
ダイアモンド氏によると日本にとって、人口減少や高齢化、不景気などよりも大きな問題が中国、韓国との関係だと言います。
関係悪化は何のアドバンテージももたらさず、長期的には大きなリスクになり得る。
では日本が自国を守るベストな方法とは?
ダイアモンド氏は個人的には武装化はお勧めしないと言っています。
なぜなら中国と北朝鮮は核を持ち、韓国には訓練された軍隊がある。
日本が自己防衛できるほど武装化する前に中国と韓国は恐怖を覚えて何らかの行動にできるかもしれない、というわけです。
したがって、「良好な関係を保つために真剣に取り組み、中国と韓国が日本を信用し、怖がらせないように、絶えず話し合うこと」
だと言います。
こうしたことはコロナとは関係のない話では?と思ってしまいますが、ダイアモンド氏によると、致死率が最大で80~90%のエボラウイルスなどと比べ、新型コロナの致死率は2%程度と考えられています。
世界人口77億人の2%の1億5400万人が死亡したとしても、75億4600万人生き残ることができ、人類史上の危機とは呼べないということです。
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こういう本を読むと、自分が感じている漠然とした不安への答えを教えてもらえるような気がします。
読んだからこそ、新たに生まれる不安というのもありますが。
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