独立した子どもが「家に帰ってきたい」と言ったとしたら、どうしますか?
子どもがお金に困っているのだったら受け入れてしまいそうです。
でも、ノンフィクション作家の吉永みち子さんは、即座に拒否したそうです。
家賃がキツイ
現在72歳の吉永さんが還暦直前だったころ、息子が「家に戻りたい」と言ってきたとか。
なんでも、自分の部屋と借りている店舗の家賃がダブルで生活が大変だと言ったそうです。
速攻で「絶対にイヤ」と言うと、キョトンとした顔をしたそうです。
吉永さんにとっては、金銭的にも精神的にも身体的にもすべて負担増。何一ついいことはないというと、「普通、親って喜ぶんじゃないの?」と返ってきたそうです。
吉永さんは、もちろん子どもが本当に困っているのなら助けになろうと覚悟はあるけれど、今はその時だとは思えない。
家賃がきついほど採算が取れない仕事こそ見直すべきで、親の家に転がり込んで帳尻を合わせるのは、できていないことをできていると錯覚させることである。
と説明したら、納得して帰って行ったそう。
数日後、「このまま突き進んでいたらやばかったかも。引き返して出直す」という電話があったそうです。
いったん受け入れると
この話を読んだとき、自分ならこうまではっきり断れるだろうかと思いました。
せいぜい、いつまでと期限を設けるくらいで受け入れてしまいそう。
そして後になって、しんどいとかお金が出て行くとか文句いいそう。
子どもが帰省した時のことを考えると、受け入れるとどんな感じになるのかは大体わかります。
そしていったん受け入れると、子どもにとっては家賃もいらず、掃除や食事などの家事の手間も省けていいことだらけ。
多少の食費は入れたとしても一人で暮らす生活費に比べれば格段に安くつきます。
親のほうにしても、家事や金銭面での負担はあるものの、老いに伴う不安から子どもがそばにいてくれた方が安心かもしれないと考えてしまう。
そうなると共依存になって離れられなくなってしまいそうです。
そうならないためには、この手の話を子どもが持ちかけてきたら、まずは「ちょっと考えさせて」と即答を避けなくては。
そして自分の負担が多いからと自分のことばかり考えるのではなく、子どもの状況もよく見てから断るようにしなくては。
亭主元気で留守がいいと同じく、子どもも元気で一人暮らしがいい、です。
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