「いつもいい気分でいれば、いいことを引き寄せることができる」とする、引き寄せの法則。
私も一時期、何冊か本を読みました。
他の種類の自己啓発本と同じく、読んだ後はとてもポジティブな気持ちになることができます。
引き寄せの法則の科学的根拠については、Wikipediaでも「実証可能な科学的根拠はなく、多くの研究者が支持者たちによる科学的概念の誤用を批判している」などと書かれています。
疑似科学として見ている人も多いということでしょう。
すべて自己責任
アメリカ文学が専門の、愛知教育大学教授の尾崎俊介氏は、引き寄せを含む自己啓発本の研究を10年も取り組んでいます。
尾崎氏によると、「引き寄せ系」の自己啓発本は賛否両論で、「実際に願いが叶った」という人もいれば、「バカバカしい」と吐き捨てる人も多いとか。
この賛否両論になってしまう理由として、「強く念じると、願いは実現する」という表現にある種のトゲがあるからではないかと書いています。
つまり、「強く念じれば願いが叶う」のであれば、「あなたが今、成功していないとしたら、それはあなた自身がそうなるように望んだからだ」ということになる。
「望めば、望んだとおりの成功を手に入れられる」ということは、「失敗もまた、すべて自分自身で望んだことだ」とも言える。
「成功も失敗も、すべて自己責任」という論理にカチンとくる人は多い、のだそうです。
自省を促す
私は、「本心から望まなかったから実現しなかったのだ」と読んだとき、いろいろ思い当ることがあって、目からウロコの気持ちになりました。
でも、自分の人生がうまくいっていないのは○○のせい、××だったから、と考える人は、自分自身がそう望んだからだと言われれば腹が立つ人もいるでしょうね。
尾崎氏によると、引き寄せ系自己啓発本は、
「一見すると世の中を舐めたような楽観的な物言いのように見えて、実は人の自分自身に対する甘さや狡さをものの見事に言い当て、厳しく自省を促す本」だと言います。
納得できるなら
私自身は、本を読んでやってみようと思ってもすぐに忘れてしまうこともあり、「実際にやってみた」と言えるほどのことはできていません。
でも、「いつもいいことだけを考える」というやり方は、誰の迷惑にもならないしお金もかからないし、そう目くじら立てなくてもいいんじゃないかと思うのですが。
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