昔、自己啓発書を好んで読んでいたことがあります。
手っ取り早く「やる気」「元気」を出させてくれる感じがするんですよね。
自己啓発書を「ドリンク剤」と言ったのは、確か作家の百田尚樹だったかな。
出版社は本を売りたい
元出版社勤務でこの手の本を作ってきた御堂筋あかり氏が書いたネット記事を読みました。
これまでに、啓発本を読みまくっているにも関わらずそれが全く生かされていないばかりか、無用の人と成り果てているのを嫌というほど見てきたそうです。
そもそも、雑誌や書籍のつくり手が、本に書かれていることを実践できているとは限らないという事実があります。
御堂筋氏が知っているファッション誌の編集部には、お風呂に入らず異臭を放つ人がいたり。
競馬雑誌の編集長は会社に借金を肩代わりさせ、部下に金を借りて馬に金をつぎ込んでいたとか。
もちろん全員が全員そんな人ばかりなわけではないですが。
売るために本を作っているのですから、作り手と内容は関係ないとも言えます。
啓発本の悪い影響
そもそも「ビジネス関係の啓発書が教える教訓とは、長年にわたる実務の積み重ねで試行錯誤を繰り返し、気付きに至るたぐいのもの」とのこと。
御堂筋氏によると、若いうちから自己啓発に走り、自意識を高めた挙句、実務的にはまったく使い物にならない人がいるそうです。
こういう人たちは仕事を振られると、
「なんで僕がそんなくだらないことをやらないといけないんですか」
と文句を言ったり、生返事してまったく手を動かさず、それを叱るとビジョンや戦略などでかい話で返してきて、「ややこしいことこの上ない」らしいです。
こうなると、自己啓発書とは「百害あって一利なし」の結果になってしまっていますね。
こういう人を普通の状態に戻すことは不可能に近いそうです。
一番いいのは、何もしなくてもいい部署を作って放り込み、いっさい仕事に触れさせないことだそう。
本人はさておき、会社にとっては損失ですねえ。
実際の経験に勝るものなし
恋愛小説を浴びるほど読んでも恋愛巧者になれないことは、たいていの人は知っていると思うのですよ。
自己啓発本にしても、読んでいるうちに私のように「読んでも何も変わらない」ことに、いずれ気が付くと思うのですが。
でも、自己啓発書を読むとできるビジネスマンになれると錯覚する人が、中にはいるってことですね。
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