無理に避けようとせず、孤独を楽しむ

「年を取ってなにより大事なのは、お金よりも人との交流」なんていう文章を読むと、自分の老い先が不安になります。

今でさえ、夫としか話さない日がほとんどという、人付き合いのない生活なので。

医師の鎌田實さんは、人間という生き物は、

「“群れたい”欲望と“ひとりでいたい”欲求を併せ持つ存在」だと言っています。

相反する欲求のバランスを取りながら生きて行くのが、現代に適した生き方だということです。

そのためには、「孤独を楽しむ」ことをすすめています。

あれこれ試す

孤独を楽しむには、まず一人であれこれ試してみる。

習い事や体験教室に参加したり、あえて苦手な分野に挑戦して世界を広げてみたり。

古典や長編小説に挑戦する、アートに触れる、ミニシアターや動画配信サービスで映画に親しむなど、思いついたものから試してみましょうとのこと。

こうした「ちょうどいい孤独」にはいい面がたくさんあるとか。

自分の人生を自分で選択する力が付く、自己肯定感が高まる、ユニークな考えが浮かんでくるなど、能力面での進歩が期待できるそうです。

そして、孤独を知ることで、人を大切に思ったり、愛したりすることができるのもメリットだということです。

孤独と孤立は別物

ただ注意したいのは、「孤独」と「孤立」を間違えないこと。

鎌田さんによると、「孤独」は自分が望む場所と時間を自分で選ぶこと。

「孤立」は、いざというときに頼れる人が誰もいない状態であること。

孤立してしまうと、自分の心の中に“魔物”を育て、それが自分自身を破滅へと追い込んでしまいかねないとか。

ゆる友のすすめ

いくら孤独を楽しめるようになったとしても、やはり人との付き合いは必要なようです。

“群れたい”気持ちは誰にでもあるのでしょう。

鎌田さんは、ゆるやかにつながっている「ゆる友」をすすめています。

スキーが趣味の鎌田さんは年間60日もスキー場に足を運びますが、そこでゆる友と交流しているそうです。

頂上に向かうゴンドラの中でスキーの話に花を咲かせるけれど、それ以上に立ち入った間柄にはならないそうです。

趣味を楽しんでいるときだけの関係というのはさっぱりしていていいですね。

理想的だと思いますが、まずはその趣味を探さなくては。

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