「日本人の勝算」という本を読みました。
著者のデービッド・アトキンソン氏は、菅総理のブレーンと言われている人です。
この本によれば、日本が抱える問題、例えば低い生産性、国の借金、財政再建、福祉制度、ワーキングプア、女性活躍、子どもの貧困、少子化、消費税、地方創生など、すべて一つのことで解決できると言っています。
その方法とは、最低賃金を引き上げること。
最低賃金を引き上げ、生産性を上げることが日本の生き残る道であるということです。
食べ物が安い理由
コロナ前、海外の旅行者が日本に大勢やってきているというニュースを見ていた時、彼らはおいしくて安い日本の食事を楽しみにしているのだと言っていました。
おいしいはわかるけど、安いって?
日本って物価が高いと言われていなかったっけ?
この本には2018年度の「ビッグマック指数」が載っています。
マクドナルドのビッグマックは大きさや材料が決まっているので国際比較しやすい商品の一つとされています。
それによると、日本のビッグマックはタイより安く、途上国並みの安さだそうです。
日本は不動産も高く電気も高く、材料もタイより安いはずがない。
利益を削ってそこまで安くすることは不可能なので、安い理由は最低賃金が安いことに尽きるということなのだそうです。
ちなみに、日本の労働者の評価は世界第4位なのに比べて、経営者の能力は極めて低く評価されているそうです。
少子化の理由
アトキンソンさんは、日本人はあまり表立って文句を言わないけれど、心底納得しているわけではないと言います。
日本は、社会に出て働き出しても給料は安く、楽しみもあまりない。
老後の生活も不安だらけ。
こんな生活を送っていれば、子どもを作る余裕がなくなるだけでなく、自分たちのような辛い思いを子どもにさせたくない気持ちになってしまう。
今の社会制度に対する抵抗として子どもを作らない選択をしている人がかなりの数いるのではないか。
したがって、最低賃金を引き上げて効果が出れば、少子化問題も緩和されるのではないかと書いています。
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数多くの論文を引用しての内容はかなり納得できるものでした。
もちろん最低賃金を引き上げればそれですべてうまくいくのではなく、生産性を上げなくてはいけません。
簡単なことではないでしょうが、それしか残された道はないならやるしかない。
そう覚悟して、ぜひお願いしたいものです。
デービット・アトキンソンさん、
以前、カンブリア宮殿に出演されているのを見かけました。
日本の外側から日本を俯瞰できる人の意見は納得できる言説が多々ありますよね。
神社などの修復って大変そうだと思うのですが、
あのお金はどこから出ているのかしら。
確か首里城の修復も小西美術、とどこかで見かけました。
首里城、どうするんでしょうね。
最低賃金、どうなりますかね。
どうするのかな、どうなるのかな、と思うこと多々です。
hinoeさん
アトキンソンさんの会社、首里城の修復もしているのですか。知りませんでした。
首里城は大変そうですが、無事再建できればいいですね。
確かに古い建物の修復で、どうやって稼いでいるのだろうと思いますね。
費用はどこから出ているのでしょう。
最低賃金が上がることで日本の社会に希望の光が見えればいいのですが、言うほど簡単なことではなさそうな気もします。
でも可能性があるなら、と期待してしまいます。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。