長年、本を読むことが一番の趣味だった私ですが、年齢とともに目の疲れ、肩凝り、根気がなくなるなどの理由で長い作品を読むのはためらうようになってきました。
気になりながらもその長さで読むことを断念してきた本は何冊もありますが、そのうちの一つを読むことになりました。
理由は娘がプレゼントしてくれたためです。
冬のボーナスが入った娘は、研修で家に帰ってきた際に夫と私へのプレゼントを用意してくれていました。
私がもらったもの
私へはウンベルト・エーコ「薔薇の名前」上下巻。
長いばかりでなく1冊2300円もする本なので、読むのを諦めていると娘に話したことがありました。
それを覚えていてくれたようです。
同じく本好きの娘に、「先に読めば?」と聞きましたが、映画で見たからもういいと。
「薔薇の名前」はミステリーなので、ストーリーを知ってしまうと読む気にならないでしょうね。
嬉しいのは嬉しいのですが、改めて二冊を目の前にするとそのボリュームに圧倒されそう。
読み切れるかな、肩凝りは大丈夫だろうかと、ちょっと心配になっています。
娘は「薔薇の名前」上下巻以外にも、図書カードまでくれて、申し訳ないくらいです。
ケッサクな夫
おもしろかったのが夫です。
夫はネクタイとセーター、シャツをもらっていました。
いつも夫が買うような安物ではなく、かなりいいものです。
さっそく着てみて家族に似合うと褒められてご機嫌でした。
嬉しくてたまらない夫は、
「真面目にやってると、いいことって起こるもんなんだな」
としみじみ言っていておかしかったです。
嬉しさのあまりその夜はなかなか寝付けなかったそうで、仕事に出る時に間違って私のスマホを持って出ていました(途中で気付いて帰ってきました)。
どれだけ嬉しいんだかと、息子と二人で大笑い。
夫は子煩悩なので二人の子どもに優しい人ですが、娘の夫への態度はこれまでやや冷やかでした。
教えてほしいことや、やってもらいたいことがあるときだけ寄っていって、後は知らん顔。
そんな娘が夫へプレゼント買ってあげるなんて、大人になったなあと感慨深いものがありました。
自分にほっとしたこと
娘が私にくれたものと、夫にくれたもの。
金額で言うとかなりの差があります(夫の方がずっと高い)。
それを「私の方が安い」と不満に思わなかったことに自分で自分に安心しました。
子ども達にいつも優しいお父さんでいた夫ですが、今まであまり報われることはなかったと思うので(笑)、娘の気持ちがありがたかったです。
いつまでも子どもだと思っていたらだめですね。
親が気がつかないところで大人になっていました。
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