先日「在宅ひとり死のススメ」(上野千鶴子 文春新書)を読みました。
自分の老後について、漠然としているものの何となく考えるようになりました。
そこでもう一冊、同じ作者の「おひとりさまの老後」(文春文庫)を読んでみました。
単行本として出たのは14年前。
2011年に文庫化され、以来22刷と版を重ねているので、ずいぶんと読まれているようです。
友人
一人で迎える老後について、住み方、付き合い方、お金についてなどいろんな方面のことが書かれた内容の濃い本です。
かいつまんで紹介できるようなものでもないので、自分の印象に残ったことを書いてみます。
「老後を迎えるにあたって、一番大事なのはこれだろうなあ」と私が思ったのは、友人。
つらい、哀しい、痛い、困ったとき。
こういうときに、「助けて」と平気で言えるひとを調達しておいたほうがいいと作者は言います。
家族はやがて去り、仕事も仕事仲間もいつかはいなくなる。そのあとに残るのは友人たち、ということです。
うーん、そうですか。やっぱり。という気持ち。
私はもう、ほぼ友人付き合いはありません。
学生時代の友人は遠くに離れた人もいて、もう何年も会っていません。
子どもが小さかったころのママ友とも、会うことはなくなりました。
最初は気楽でいいと感じていました。
人付き合いの得意な方ではないし、一人で家にいるのが好きなので。
でも、こうも人付き合いがなくなると、このままで大丈夫だろうかと思うこともあります。
だからといって、外に出かけて一から人間関係を築くのも億劫で。
楽しいだけの付き合いなど少ないでしょうし。
メンテナンス
上野さんは、友人にはメンテナンスが必要だと言います。
メンテナンスが要らないのが本当の友人、という考えには、何年も会わずにすむような関係を、わざわざ友人とよぶこともないと言っています。
「必要なときに駆けつけてくれ、自分を支えてくれ、慰めてくれ、経験を分かちあってくれるからこそ、友人である」と。
だからこそ、友人をつくるには努力もいるし、メンテナンスもいる。
これを読んでいると、私は友人のつくりかたから学ばないといけなさそう。
過去を振り返っても、そこまで強く結びついた友人はいなかったです。
友人というより、遊び相手とでも呼ぶ存在だったのかもしれません。
でも、そんな友人は持っていないけれど、夫がそれに近い存在です。
そう思うとちょっと気がラクに。
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