この本は1999年の出版ですが、まったく古さを感じさせません。
料理研究家の大原照子さんは43歳の時にイギリス留学をし、友人たちとスコットランドをキャンプ旅行した経験から、日本に帰ってからも少ないモノで暮らせないかと考えるようになったそうです。
トラック2台分の食器や調理道具を処分した経緯や、衣食住におけるシンプルライフについて書かれています。
大原さんとは
大原照子さんはテレビや雑誌などで幅広く活躍された料理研究家だそうですが、私は料理に興味がなかったせいか知りませんでした。
長く料理の仕事を続けたあと、イギリスへ2度にわたって留学したという行動の人です。
63歳のときに英国のアンティーク食器を扱う店をオープンするなどされましたが、2015年に87歳でお亡くなりになりました。
食器を余分
アンティークのお店を開くにあたって、所蔵していた膨大な料理器具や食器を処分したそうです。
若いころから世界各地を旅行しては買い集めてきた、その量は2トントラック2台分。
どうやって処分したのかと思ったら、すべてを十等分し、歴代助手を務めてくれた十人の女性に引き取りに来てもらったそうです。
なるほど、料理助手を務めるような人なら喜んでもらってくれるでしょうね。
服はスーツケース二個分
おしゃれ好きの大原さんは自分のワードローブを二つに分けて考えています。
ひとつは仕事用のきちんとした服。
もう一つは楽しみのための服で、十代後半から二十代前半の人向けの服を買うそうです。たった一つのストレス解消法だとして、流行の色やデザインのものを買うのだとか。
ただし、服に限らず持ち物は定期的に点検し、増やさないようにしているそうです。
着物
若いころから物が少ない生活だったのかと思うと、そんなことはなかったようです。
結婚するとき、お母さんが用意してくれたタンス二棹分の着物は、結局、結婚して十年後に建てた家にタンスの入るスペースがなく、タンスごと引き取ってくれる人に譲ったそうです。
「着物のことは母の気持ちを思うと、辛くて思い出したくない」そうですが、それはそうだと思います。
でも、大原さんは三姉妹だったそうですが、同じようにタンス二棹分の着物を用意してもらった姉妹も、人生の節目で着物を手放していったそうです。
物を減らすときに、親が用意してくれた婚礼用の家具や持ち物は処分しにくいと思っているので、この話は身につまされました。
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20年前にこういうシンプルライフを実践していた人がいるのですね。
モノを減らしながらも「捨てたくはない」と言うなど、感覚はあまり変わらないなと感じます。
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