栄養士で、かつ介護福祉士の資格まで持っている井上和子さんの、シンプルな生活術を書いた本です。
介護の現場で「モノ屋敷化」しているお宅を数多く見た経験から、自分はどういう老後を送るのかについて真剣に考えるようになったと言います。
小さく暮らす
介護の現場を見て、「年をとっても最後まで自分の家で暮らしたい」と強く思ったという井上さん。
一人でも暮らしやすく、便利な住環境を選ぶことが大切だと考えました。
駅近くで、スーパーマーケット、病院、銀行、役所、レストランなどが集まっている地域をピンポイントで指定し、やっと見つかったのは9年後だったとか。
家は「小は大よりまさる」をコンセプトにし、リビングダイニング一部屋とベッドルーム一部屋、小さなキッチンだけ。
できるだけ家具を置かない、家具は一人で動かせるものを選ぶなど、シンプルな暮らしを実現しているそうです。
インプラント
何によらず徹底している井上さんは、健康についても徹底しています。
50歳当時で井上さんには4本の治療済みの歯がありました。
歯科医師と相談の上、一本ずつインプラントにしたそうです。
費用が高額なので、お金が貯まるのを待って行ったとか。
その次に、下の前歯の一本が1ミリほど前に出ているのを矯正。
矯正するほどではないという歯科医に何度も言い続けて、やっとやってもらったというのですから、粘りがすごいですね。
心地よい関係
井上さんには「ウォーキングだけの友達」がいて、もう15年ほど一緒に歩いているそうです。
ウォーキング中には雑談はするけれど、深刻な話や悩みは話さない。
だから、井上さんは彼女の家庭のことをよく知らないし、彼女も井上さんのことはよく知らないそうなのです。
この「よく知らない」ということに感心しました。
いくら雑談していても、話のネタが切れて、つい自分の家族のことなど話してしまうことはないのだろうかと思うのです。
昔、二人でウォーキングしている知人が、相手のことを「ウチの家庭のことはなんでも知っている」と言っていたのですが、よほど気を付けていないとそうなってしまうのではないでしょうか。
たまにのことならまだしも、週に2回、二時間ほどとなると、私なら家や家族のことを話さない自信はありません。
でもできるのであれば、それこそ「心地よい関係」が築けるでしょうね。
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中高年からのシンプルライフを目指す人にとって参考になる本です。
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