子どものときに憧れたことを、誰しもできるわけではありません。
憧れを心残りとともに胸の中にしまい込んでいる人もいるでしょう。
その諦めたり後悔していることを残念に思うのではなく、死ぬまでの「生きがいの貯金」をしてきたと考えることをすすめているのが、ライフ&キャリア研究家の楠木新さんです。
憧れを仕事に
楠木さんが例としてあげているのは、テレビ番組に出演したときに紹介されていた男性。
彼は子どものころにテレビの刑事番組に憧れて警察官になります。
しかし、仕事で怪我をして入院したことをきっかけに退職し、警備員になったものの働く喜びを感じられませんでした。
駐車場の警備にあたったとき、高級車が並んでいるのを見て、子どものころから乗り物が大好きだったことを思い出します。
今では海外のVIPや要人が乗車するハイヤーの運転手になっているそうです。
刑事に憧れて警察官、乗り物が好きでハイヤーの運転手と、子どもの頃の「好き」を仕事にした例です。
昔やったことを再開
子どものときに得意だった将棋を70代になって再開した人もいます。
仕事を辞めると、誰も自分に注意やアドバイスをしてくれなくなり刺激がなくなっていたが、将棋ではこちらが年寄りでも容赦がなく、子ども達も手加減してくれない。
それが楽しくて将棋センターに通うのが生活の軸になっているとか。
他には、学生時代のバンド仲間と音楽活動を再開し、孫にもギターを教える、剣道5段の腕前を呼び起こして子どもたちを指導する、卓球部で活躍した経験をもとに仲間に教える、などの例も。
始めるだけなら
人に教えるとなると、それなりの覚悟と腕前が必要と感じて二の足を踏む人もいるかもしれません。
教えるのではなく「子どものときにやりたくてもできなかったことをやる」だけならハードルも低くなります。
大人のバレエ教室や楽器教室では、かつて習いたくても習えなかった人が来ていると聞いたことがあります。
サークルなどに入る、友人達とグループで始めるなどの方法もあります。
憧れを憧れのままで放っておくのではなく、実際に自分でやってみるために一歩踏み出してみる。
ほんの少しかじってみるだけでも楽しさは味わえるのでは。
昔憧れていた世界を垣間見られるのは嬉しいでしょうね。
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