NHK「やまと尼寺精進日記」の舞台は、奈良県桜井市の音羽山観音寺。
当時、ご住職と副住職、そしてお手伝いの人と、女性三人が暮らしていたお寺は、今はご住職一人になっています。
でも、ご住職の後藤密榮さんは、相変わらず元気で笑顔で暮らしているようです。
最近出版された「やまと尼寺精進日記3」を読みました。
助けてくれる人がたくさん
お寺に住んでいるのはご住職一人ですが、野菜を届けたり、お手伝いに訪れる人がたくさんいます。
お寺までの道は車が入れず、徒歩で50分かかるそうなのですが、そこを重い野菜を持って上ってくる人が何人もいることがすごい。
しかも、庭の掃除やお参りの人の接待までしてくれる人、展望台までの山道作りをしてくれた人、台風で山の中の電線、電話線が不調になったときの修繕の手配をしてくれる人まで、里にはご住職を助ける人が何人もいます。
里の人たちは、ご住職が毎朝6時につく鐘の音を聞いて、今日も元気にしていることを感じるのだそうです。
心がつながっているのですね。
自然がいっぱい
山の中ですので自然がいっぱいです。
ご住職は山の中での暮らしを「半分遊び」と言います。
野草図鑑で食べられる草を調べたり、秋の七草を探し歩いたり、お寺の大イチョウの銀杏の実を拾って干したり、花や野菜を育てたり。
「することいっぱいあって、暇なことなんにもない。ほんと自然はありがたいわ」だそうです。
お料理
いただいた野菜は、手間暇のかかったお料理にします。
本には、慈瞳さんやまっちゃんがいたころ三人で作っていた料理のレシピがいくつも載っています。
信者の方たちにお料理を出すお接待は、前の住職の奥さんがされていたそうで、いいなと思って同じようにしているそうです。
観音様にお任せ
一人で山の中にいることを「さみしくないし、不安もないのよね」と。
先のことは心配してもしょうがない。
「生きるも死ぬも、すべて観音様が決めてくださる、そう思っているからちょっと気がラクなの」。
番組プロデューサーの倉森さんは、ご住職のことを「ひとりだけど孤独じゃない」と書いています。
誰にもよりかからず「ひとり」をきちんと生きているからこそ、いろんな人がご住職を慕い、関わろうとするのではないかと。
いずれ一人になることを考えたとき、ご住職の生き方は大いに参考になる気がします。
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