何かと便利なマンション住まい。
しかし住民が高齢化することで、いろんな問題も起こってきます。
その一つが順番に回ってくる「理事の負担」。
この理事の負担に耐えかねて、マンションから中古の戸建てに引越しした人・引越しを考えている人のことが朝日新聞に載っていました。
住み替えを検討
東京都内のマンションに、新築当時から30年住む60代男性は、妻と娘の3人暮らし。
36戸で、理事は2年交代。10年に1度ほど回ってきます。
男性は今までに理事を3回務め、そのうち2回は理事長でした。
管理会社や管理人とのやりとり以外にも、「犬のフンが落ちている」「リフォーム業者の施工内容が気になる」など、住民から玄関のチャイムを鳴らされたり、郵便受けにメモを入れられたり、メールが届いたり。
住民同士のトラブルに巻き込まれたこともあったそう。
共有部のメンテナンスは管理会社の対応だけど、「費用が高い」という声が上がって、別の業者を探して見積もりを取ることが年に4~5回あり、作業の日は立ち合いも必要になります。
2回目の理事長になってすぐ、母親の介護問題も重なり、体調を崩したそうです。
10年後、また理事が回ってきたときに耐えられるのか。
地方に引っ越し、中古の一戸建てに住み換えることを、妻とも相談しているそうです。
戸建てに引越し
四国に住む50代女性は、新築で購入した分譲マンションを手放し、13年前に戸建てに住み換えました。
女性の夫はマンションの理事長で、1年交代が原則だったのを、2年連続で担いました。
理事長になった当時、大規模修繕工事の見積もりも高額で、修繕積立金も不足するなど、管理会社への不信感が高まっていたそうです。
必死で勉強し、信用できる管理会社を探しつつ、住民の交流会を企画したこともあったそう。
しかし、「事なかれ主義」の住民の説得に苦労します。
何度も話し合いを呼び掛けたものの無反応だったのに、臨時総会の日に「少数意見を無視するのか」と言われます。
修繕工事中の駐車スペースの調整に当たったときも、訪問しても居留守を使う住民から、最後に「勝手やな」と捨て台詞を浴びたとか。
こうしたやりとりに心身ともに疲弊したことが、住み替えの決断につながったそうです。
辞退金
高齢住民が増えてきた横浜のマンションでは、高齢を理由に理事を辞退する場合は、年5万円を支払うことを総会で決めたものの、高齢世帯からの反発も大きかったと言います。
何でも管理会社にお願いできることがマンション生活の快適さの一つではあるけれど、高齢化がそうさせてくれなくなってきているようです。
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