1日1000円という節約生活を送る小笠原洋子さん。
自分の節約学をケチカロジーと名付け、節約だけでなくゴミを出さない、買わずにあるもので工夫する生活を送っています。
そんな小笠原さん、どんな経緯を通って今のような生活を送るようになったのでしょう。
古典の中の暮らしに憧れ
まずは中高生のころから古典作品に出てくる簡素な生活空間に憧れがあったそうです。
鴨長明の「発心集」という随筆には、自身が設計して住みついた庵の様子が詳しく書かれています。
これを近代になって学者が再現した平面図を書き写し、いつか自分もそんな家に暮らすのだと空想していたとか。
草庵への憧憬は老年まで続き、多くの所有物を捨ててとことん身軽になりたいと思ったそうです。
今の生活の基本は十代のころに始まっていたのですね。
引越し好き
小笠原さんは引越し好き。60年間に20回も引越ししてきました。
このことも荷物を少なくする理由の一つになったようです。
20代の頃に買った、幅120センチの洋服ダンス。
40年間、度重なる引越しに耐えていましたが、小さな木造アパートに転居したとき搬入することができなかったとか。
上部の観音開きのタンス部分は処分し、下部の2段の引き出しだけはチェストとして今も愛用中。
タンスを手放したことで、生活空間だけでなく心境まで広がっていくという発見をします。
実家の片づけ
かつて7人で暮らしていた築50年の実家を、たった一人で処分することになります。
重くて場所を取るビッグフォー(応接4点セット)を、業者を拝み倒して引き取ってもらい、
何十年も本格的なクリーニングをしたことなどなかったはずのカーペットの処分に悪戦苦闘。
そして応接セットなんか一生持つものか、たとえむしろを敷いて暮らす羽目になってもカーペットはこりごり、という心境になります。
モノは買うより捨てるほうがずっと手間がかかります。
小笠原さんも家一軒の片づけを経験して、今まで以上にモノ離れしたのではないでしょうか。
信条
70歳を超えた小笠原さんの信条は、
一、よく学び(恰好だけでも可)
二、よく遊び(できるだけ歩き回ること程度でも可)
三、よく片づける(頻繁に体を動かして整頓しまくる)
and 老いたればこそ、体が訴える不調の声によく耳を傾ける。
あとは、捨てる。
だそうです。
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