「最強脳」(アンデシュ・ハンセン 新潮新書)を読みました。
作者のハンセン氏はスウェーデンの精神科医で、世界的ベストセラーになった「スマホ脳」を書いた人です。
「スマホ脳」の内容は、いかにスマホが精神を蝕み、集中力や記憶力を低下させているかというものでした。
「では、どうすればいいのか」「脳に一番いいことは?」という質問の答えが本書です。
脳を成長させるには
脳を変える方法、それは「運動」です。
本書で作者が言いたいことは3つ。
1.脳の成長は止まらない。いつでも変えられるし、成長させられる。
2.脳を助ける一番良い方法は運動。
3.普段からスポーツしていなくてもいいし、運動が得意でなくてもいい。脳はどんな運動をしているかは気にしない。とにかく運動しさえすればいい。
サバンナ脳
なぜ運動すると脳が鍛えられるのか、それは人の脳が大昔、サバンナで獲物を探し回って生きていた時代のままだからです。
食べ物を探したり、狩りをしたり、もっと良い住処を探して移動するためには体を動かさなくてはいけません。
そのため、脳はその人が運動すると「良いことをした!」とご褒美(ドーパミン)をくれるように進化しました。
ドーパミンが出ると、幸せな気分になり満足します。
一気食いが止まらないのは
サバンナで暮らしていたころは、カロリー(食べ物)を手に入れることが何より重要でした。
多量のカロリーを含む食べ物を食べると、脳からご褒美をもらえるようになりました。
カロリーの多い食べ物をおいしいと感じ、食べれば食べるほどご褒美をもらえるようなシステムになっています。
だから、おいしいと感じるもの、例えばポテトチップスなどを一気に食べてしまうのは、大昔は食べ物を取っておくと他の動物や人間に食べられてしまうから、一気に食べることが賢い方法だったからです。
サバンナでは生き延びるのが大変だったので、集中したり、新しい情報を覚えておく必要がありました。
そのため、体を動かすと集中力や記憶力がアップするようになっています。
運動量
各章にはどの程度の運動が必要かも書かれています。
例えば、「第4章 集中力を上げる」には、「最低20分、できればそれより長く、脈拍が上がる(心臓がドキドキする)運動を。集中力は運動後の数時間しか続かないので、朝や午前中に運動するのが良いでしょう」とあります。
運動すると、前よりも幸せな気分になり、賢くなり、集中もできるようになり、ストレスに強く、発想力が豊かになり、ゲームも上手くなり、記憶力も良くなるそうです。
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