新聞を読んでいたら読者投稿が目に入りました。
60代女性の投降主さんが、初めて衣類をリサイクルショップに持って行った経験を書かれていました。
コートやブラウス、セーターなど20点ほどを持ち込んだところ、価格はなんと38円。
投降主さんはショックを受け、洋服に対して申し訳ないことをしたという気持ちを感じてしまったようです。
自分のモノを処分しようとしたとき(捨てる・売る・人にあげるなど)、私たちの心の中で3つのことが起こります。
モノへの愛着
1つ目は、処分しようとしているモノに対しての愛着を思い出すことです。
投降主さんも、「亡き妹との旅行に着ていった思い入れの強い品もあった」と言っています。
どんなモノでも、所有していた間にそれにまつわる思い出があります。
手放そうとしたとき、それを思い出してしまい、処分をためらう、あるいはつけられた金額にショックを受ける(安すぎて)ことになります。
失うものに注目
2つ目は手に入るものより、失うものに注目してしまうこと。
投降主さんは、「すべてクリーニング済で大切に保管していたものばかり。中には一度も着ていないものもある」と書いています。
そして「生地は上等でしっかりしている」とも。
つまり、とても「良い服」なのだと言っているのですね。
だからこそ、38円と提示されたときにショックを受けるわけなのです。
思い切って持ち込んだのに、大切な服がこんな安値だなんて、と。
こうなる理由は3つ目で説明できます。
価値観の違い
3つ目は、相手(リサイクルショップ)も、自分と同じ価値観を共有していると思ってしまうこと。
亡き妹との旅行の思い出や、クリーニングをして大事に保管していた手間などを、自分と同じく店側も持っていると思ってしまう。
でも、店にすれば売れるかどうかが大事なわけで、38円という値段から見ると売れないという判断だったのだということがわかります。
投降主さんとリサイクルショップとでは、持ち込まれた服に対する価値観が全く違っていたのです。
思い込みを知っておく
自分のモノに対する思い込みは、どうしても「価値がある」方へ傾きがちです。
そのために、なかなか捨てられなかったり、やっと売ったと思ったら金額にショックを受けたりします。
それでも思い切って捨ててみれば捨てたことを後悔することはまずありません。
売った金額に不満があるなら、少しでも高く売る方法を探してみるという手もあります。
「自分のモノは価値が高いと思ってしまうものだ」ということがわかっていれば、手放しやすくなるかもしれません。
コメントを残す