高齢女性のライフスタイル本を書店でよく見かけます。
でも70代80代くらい、なかなか3桁の人は見かけませんでしたが、いました。
「102歳、一人暮らし。」、広島県尾道市にお住いの石井哲代さんです。
日課
哲代さんは毎朝、いりこで出汁を取った味噌汁を作り、畑に「出勤」して草取りし、夜には声を出してお経を読んだり3年日記をつけたり。
足が悪くなって遠くまで歩けなくなったそうですが、89歳のとき購入した電動のシニアカーを愛用していてお墓や畑にも出かけます。
お寺の婦人会の例会や、月一で地区のおばあさんが集まる「仲よしクラブ」に行ったりと、忙しい毎日を送っています。
この「仲よしクラブ」は50年ほど前に、哲代さんが近所の人たちと作ったもの。
農機具が急速に普及し、孫も幼稚園に通うようになって、農家のしゅうとめさんたちはやることを失って途方に暮れていたそうです。
そこで、みんなで集まって合唱したり大正琴を練習したりするようになったとか。
仕事があったからこそ
近くに住む姪の直ちゃんと弥生さんがお世話してくれたり、近所の人との付き合いもあるものの一人暮らしを続けています。
20歳から56歳まで小学校の先生をしていた哲代さん。
26歳で結婚しますが子どもには恵まれませんでした。
子どもを何人も産むのが普通だった時代、教員の仕事があったからこそ救われたと言っています。
「嫁という立場だけならこの家にはようおらなんだ」と。
学校では「子どもたちを存分にかわいがった」そうで、今でも教え子が家に訪ねてくるそう。いい先生だったのでしょうね。
5つの心得
哲代さんの「生き方上手になる五つの心得」
一、物事は表裏一体。良いほうに考える
二、喜びの表現は大きく
三、人をよく見て知ろうとする
四、マイナス感情 笑いに変換
五、手本になる先輩を見つける
哲代さんのお手本はおしゅうとめさん。
暇を見つけては庭や畑の草むしりをし、毎晩、仏さんにお経をあげる習慣のあった人。
哲代さんが結婚した当時、おしゅうとめさんは薪を背負って町へ売りに行き、そのお金で当時はまだ珍しかったソーセージを買って、哲代さん夫婦のお弁当のおかずにと言ってくれた人だったそうです。
本の中には「嘆くことにエネルギーを使うと心も体も弱るばかり。落ち込みそうになったら、用事を作って体を動かすことにしている」など、なるほどと思う言葉がたくさん。
「同じ一生なら機嫌よう生きていかんと損じゃ」。
確かに。
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