人には嫌われたくない。いい人だと思われたい。
一般的にはそう思いますよね。
でも、「お人好しのいい人ほど収入が少なくなる」という研究があるのです。
協調性と収入
米コーネル大学、ノートルダム大学、カナダのウェスタン・オンタリオ大学による研究で、約9000人を対象に、協調性のテストと収入を調べました。
すると、協調性が高いほど収入が低いという結果が導かれました。
協調性には「信頼性trust」「率直さstraightforwardness」「迎合性compliance」「利他主義altruism」「謙虚modesty」「優しさtender-mindedness」の6つがあるとして、これらを備えている人は収入が低くなりやすいことがわかりました。
そして、協調性の高い被験者が、最も管理職になれないという結果が出たのです。
フランスの料理修行
斉須政雄というフランス料理のシェフが「調理場という戦場」という本で修行時代のことを書いています。
日本の調理場では「みんなと仲良く、波風立てない」という雰囲気だったそうですが、フランスでは、ただただ仲良くしたいなんて思っている人間は、みんなに体よく利用されて終わってしまうことを知ったそうです。
そして、どんなタイプが料理の世界ではやっていけないかについても明言しています。
「相手に不快感を与えることを怖がったり、職場での付き合いがうまくいくことだけを願って人との友好関係を壊せないような人は、結局何にも踏み込めない無能な人です」
たとえ頭でいろいろわかっていたとしても、「こいつは単なるお人好しだ」と思われたら、その店にいる間は終わり。
「こいつは牙をむくかもしれないな」という部分を相手に認知させないと、こちらがやられてしまうそうなのです。
料理の世界では警戒心を強くしていないと、レストランに「いいところだけむしり取られてごくろうさん」みたいに終わってしまう人もいるとか。
利己的でないといけないということではなく、斉須氏も自分と同じように仕事に追われて余裕のない周りに助けてもらったこともあるそうです。
日本で自分の店を持ったとき、「うそをつかない。ズルをしない。人が困っているのを見過ごさない」ことを大切にしているそうなのです。
チームワークなので、協力し合うということは大事なのでしょう。
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フランスと日本と違う、料理の世界が特殊ということではなく、チームを組んで仕事をするという点ではフランスと日本、普通の会社と共通する点も多いはず。
表面的に波風立てないことだけを重視して、問題を解決しようという姿勢のない人は、責任ある仕事を任せられることはない、つまり出世しない=収入が少ないということなのでしょう。
いつも新しい話題をありがとうございます。
毎日楽しみにしています。
斉須政雄さんを検索してネット記事を読んでみました。
本の紹介記事の中で、
ヴィヴァロワのレストランのオーナーから「掃除が第一」
ということを学んだと書いてありました。
「掃除ができない人は、何もできない」とまで書いてありました。
なんだか私も
「掃除、、、、しなきゃ。」
という気持ちになって、
とりあえず、気になっていたキッチンのコンロまわりをせっせと掃除しました。
おかげさまでだいぶ綺麗になりました。
hinoeさん
コメントをありがとうございます。
人がきちんと掃除している文章を読むと、なぜか自分もやりたくなりますね。不思議です。
私は思うだけで、hinoeさんのようには掃除しませんでしたが(読んだだけでやった気になってしまうんです)。
斉須さんが経営しているレストランの厨房も、とても清潔だそうです。
掃除ってただ周囲をきれいにするだけではなく、もっと物事の根幹にかかわるような大切なことなのかもしれませんね。