先日読んだ石黒智子さんの「60歳からのほどよい暮らし」の中に、M.B.ゴフスタインという絵本作家のことが出てきました。
石黒さんの息子さんがまだ幼かった時、偶然見つけて自分のために買ったそうです。
「ゴールディのお人形」
興味がわいて、私も一冊買いました。
「ゴールディのお人形」です。
タイトルだけ読むと、女の子と大事にしているお人形の話かと思いますが、ゴールディは人形つくりを生業にしている女の子です。
あるとき、町で美しい中国製のランプを見つけ、とても高価なのに買ってしまいます。
友人からは呆れられ、思わずお店に返しに行こうと思うのですが……というお話。
とてもシンプルな線の絵ですが、それがかえって読み手の想像を広げるように思います。
ゴールディが街へ出かけるためにブーツをはき、ネッカチーフを被って顎の下で結んだ姿も可愛らしい!
絵本という体裁ですが、子ども向きではなさそう(本屋さんでも「大人向き絵本」の棚にありました)。
読み方はさまざま
いろんな読み方ができそうです。
創作活動とはこうしてやるものだよと説明しているようにも思えるし。
身近に理解してくれる人がいなくても、たった一人でもわかってくれる人がいれば幸せなのだと言っているようにもとれるし。
お気に入りのものを持てば、小さく質素な部屋でも幸せに暮らせると言っているようでもあるし。
読んだ人が好きに取ればいいのだろうと思います。
絵を見ているうちに、子ども時代のことを思い出したり、昔見た外国の映画を思い出したり。
いろんな思いが湧いてきました。
絵本のよさ
本は好きですが、絵本はまず買うことがありません。
読むところが少ないので、あっというまに読み終えてしまうのがもったいないからです(コスパが悪いと考えてしまう)。
でも絵本の楽しみ方って文章を読むだけではないのですね。それをこの絵本で初めて教えられた気がします。
石黒さんは本の中でゴフスタインの絵本のことを、
「どう進むべきか迷うときに読みます」
と書いていて、納得しました。
ゴフスタインさんは1940年アメリカ生まれ。
2017年の77歳になるお誕生日に亡くなっています。
もう亡くなられていたのは残念ですが、これからゴフスタインの絵本を買う楽しみが見つかりました。
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