「家にお金を入れようか?」

娘が帰ってきました。

夫が倒れて収入が途絶えていることに触れ、今はどうやって生活しているのかと聞いてきました。

貯金の取り崩しと答えると、

「大丈夫? いくらか家にお金入れようか?」

と。

決して高給取りではない娘にこんなことを言ってもらえるなんて。

感謝して断りましたが、ちょっと感動しました。

後で夫に話すと、「今夜、ベッドの中で泣くかも」と言っていました。

面会の時も、退院したらどこそこに行こうとか、退院の日が決まれば、できれば仕事を休むようにするなどと言っていて、変わったなあとじんわり。

もともと娘は幼いころは私にベッタリの子で、大きくなってからもお父さんに話しかけるのは何かをしてもらいたいときだけ。

父親は利用するものとでも思っているかのごとく、夫に対する態度はいつも素っ気ないものでした。

それがまあ、変われば変わるものです。

父親の弱った姿を見て、今まで通りではいけないと思ったのでしょうか。

夫が倒れてから40日ほど自宅に滞在してくれた息子も、ずいぶん頼りがいのある存在になってしました。

普通は親が年をとって段々衰えていくのを見て子どもも変わっていくのでしょうが、ウチの場合は悲しいかな、ちょっと早かったです。

夫の身に起きたことは残念でしたが、子どもの変化は嬉しいことでした。

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