一度読みたいと思っていた「私の財産告白」という本を最近読みました。
著者の本多静六は、お金の貯め方でよく名前があがります。
大学で研究生活を送り、日比谷公園の設計や明治神宮の造林などの業績を残しながら莫大な財産を築き、定年退職の年に全財産を匿名で寄付した人です。
四分の一貯金法
本多式の貯金法というのは、収入の四分の一を貯金してしまう方法です。
お給料だけでなく、大学で教える傍ら、他の大学での講師を掛け持ちしたり、著述活動などで入ってくる臨時収入も四分の一貯金。
これを25歳の時から続けたそうです。
こうして貯めたお金で堅実な「投資」を行う。
本多氏の場合は株式と土地山林だったそうです。
「好景気には勤倹貯蓄を、不景気には思い切った投資を、時期を逸せず巧みに繰り返す」ようにと勧めています。
生活苦の中でも
収入の四分の三で暮らすのは、お給料がいいからこそできたことだろうと思いがちですが、本多氏の若いころはそれほど楽なことではなかったようです。
留学していたドイツから帰国し東京大学農学部の助教授になった25歳のころ、高給取りになったとでも勘違いされたのか、寄宿者が増えて全家族が9人になったとか。
旧幕臣の娘だった義母は、大学からもらう給料を士分の扶持取りのように考え、一生お上から頂けるからいいじゃないかと言っていたそうです。
本多氏が、この給料は家にくれているのではなく勤務に対してくれているのだと説明してもなかなかわかってもらえなかったそうです。
月末になると現金がなくなってきて毎日胡麻塩ばかりになり、子ども達が「お母さん、今夜も胡麻塩?」と泣き顔をしていたというのですから、かなり苦しい生活だったよう。
子どもの様子を見て、断腸の思いをしながら歯を食いしばっての四分の一貯金だったようです。
人生最大の幸福は
「人生即努力・努力即幸福」をモットーにしていた本多静六氏によると、人生の最大の幸福は職業の道楽化にある、と言います。
どんな仕事であれ、打ち込んで勉強し続けさえすれば、必ずそこに趣味を生じ、熱意を生み、職業の道楽化を実現することができる、と。
平凡人が、非凡人や天才に負けず、成功を勝ち得る唯一の道は、
「いついかなる場合でも本業第一たるべきこと。
本業専一たるべきこと。
一つのことに全力を集中して推し進むべきこと。」
であるとも言っています。
投資で一財産築いた人でも、大事なのは仕事、懸命に働くことが大切ということのようです。
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