一生かかっても使い切れないほどの財産を持っている人は、さぞかしゆったりした気持ちで暮らせているのだろうと思いますが、意外とそんなことはないようです。
週刊現代の「日本の「隠れカネ持ち」たちに会いに行く」という記事の中で、お金持ならではの苦労が語られていました。
目立たないように
ある中堅メーカーの元社長が言うには、資産が10億円を超えたあたりから、どこで嗅ぎつける、『カネを貸してくれ』という人がひっきりなしに来るようになるそうです。
起業するから支援してくれ、こんな面白い新製品があるから投資しないか、頼むからとにかく貸して欲しい、などなど。
元社長によると、貸そうと思えば貸せるけれど、応じたら最後、結局は恨みや嫉妬を買って不快になるのがオチだと考えているそうです。
だから、とにかく目立ちたくない。
時価総額3500億円の、ある機械部品メーカーの会長も、
「いかに目立たずにいるか。いつもそればかり考えている」
そうです。
人目を惹くと、おかしな連中も押し寄せる。
自分もいい目をしようとする者や、嫉妬のあまり中傷する者、そして犯罪者も寄ってくるでしょう。
そう考えると怖いですね。
使うほうが難しい
父親から継いだ中堅商社の社長である40代男性の住んでいる邸宅は約4億5000万円、5000万円や6000万円のスーパーカーも数台所有しています。
そんな資産家でありながら、服装はTシャツに短パンで、Tシャツはコンビニで500円で買ったものだそうです。
その一方、庭の芝刈りだけで年に100万円、掃除を人に頼めば400万~500万円が飛ぶそうです。
「おカネって、稼ぐよりも上手に使うほうが難しいんだなと、いまになって痛感していますよ」。
相談できない
当のお金持ちにとっては、莫大な資産をどう守り、どう使うべきなのか、相談する相手がなかなか見つからず、見つける方法もわからないそうです。
軽々しく資産のことなど口にすれば、どんな人間が寄ってくるかわからない。
「親族にさえ悩みや弱みを打ち明けることができない」というのは孤独が深いですね。
こう見てくると、多すぎるお金を持つのは不幸とまではいわないまでも、かなりな重荷になるのかもしれません。
じゃあお金持ちになんてならなくていいや、と思えない自分が情けない……。
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