「シンプルに生きる」(ドミニック・ローホー 講談社α文庫)という本を読みました。
全世界でベストセラーになったという、ミニマリズムブームの原点と言われている本です。
本の帯にはこう書いてあります。
「ものやこころの重荷はさっぱり捨てて、今という時を十分に堪能して生きる。
これが幸せに生きる秘訣」
禅の影響
禅からも影響を受けているようで、例えば床を拭いたり鍋をみがくといった雑事であっても丹念な動作で行うと心が整うと言っています。
これは掃除も修行のひとつと捉える禅の考え方から来ているのではないかと思います。
禅における理想の1つは、個人の身の回り品一式(着替え1着、お椀ひとつ、箸1膳、剃刀と爪切り)すべてを箱に収め、自分の首に掛けて持ち歩くことだったそうです。
さすがに「同じことはできない」と言っていますが、こうした理想を書く辺りがいかにもミニマリストという感じです。
考え方
質のいいものを買うべきとか、ワードローブ計画の立て方やボディケア、家計簿を勧めたりといった暮らし方の具体的なアイデアがある一方で、ものの考え方についても述べられています。
「潜在意識は意志よりも強力なパワーがある」
「自分に起こることはすべて吉、と信じる」
「その幸運は偶然ではなく確信が引き寄せたもの」
など、ちょっと自己啓発本かと思わせるようなところもあります。
気になる箇所は変わる
私はこの本を読むのは二度目です。
1年ほど前に読んだとき興味を引いたのは、意外と美容について書かれたページが多いということでした。
システム手帳に美容の項目を設け、体重や好みの化粧品、美容法について書き込むことで管理することを勧めています。
また、歩き方や立ちポーズ、指の仕草、微笑みなどを研究し改善して、優雅な立ち居振る舞いができるように、という部分はフランス女性らしいと感じたりもしました。
今回読み返して注意を引いたのは、前回とは全く違った部分でした。
憧れや夢を求めて生きていれば、必ず叶うもの。
そのために必要なのは自分を信じること。
また、豊かさを得るためには、まずは頭の中で創り出すこと。
そして迷わないこと。迷うと計画の成就を妨げる。
私はあまり同じ本を何度も読み返さないのですが、たった1年たっただけで気になる部分が変わっていたのが意外でした。
自分を客観的に見るための手段として、時どき読み返すのもいいかもしれないと感じました。
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