心地よく暮らすコツを提案する本を数多く出している金子由紀子さん。
ご自身が50代になって経験した心の変化や暮らし、ファッションなどについて、どんなふうにしているかが書かれたエッセイです。
ぽっかりを何で埋めるか
50代で突如現れる「ぽっかり」。
この心の空洞は子どもが巣立った人にことさら大きく、仕事では埋まらないことが多い。
園芸やペットに愛情を注いだり、演劇、歌舞伎、ミュージカル、バンドにハマることでぽっかりを埋めている人がいるそうです。
金子さんは50歳のときの富士登山を機に、「体力のいることは今のうちにやっておこう」と思ったとか。
インドア派の夫を突き合わせるわけにはいかないと、仲間を集い、キャンプに焚火、自転車ツーリング、サーフィンと、次々やりたいことを実行していったそうです。
増えたモノ
金子さんと言えば、モノを増やさない暮らしぶりが有名です。
本人いわく、意地でもモノを増やしたくなかったとか。
でも、料理好きのために刃物は増えたそうです。
刃物研ぎ教室に参加してまで大切に研ぎ、どれも死蔵せずに全部楽しんで使っているとか。
刃物以外でも、持たなければいいのでも、たくさん持てばいいのでもない。
必要なものを持ち、楽しんで大切に使い、生かすことが大事だと言います。
相手を不安にさせない服
それまでの服が似合わなくなってきた40代。
何を着ればいいか悩んで出した結論が「相手を不安にさせない」、つまり若作りしないということ。
金子さんの基準は、「腕と脚の皮膚をなるべく見せないこと。髪に気をつけること」だそうです。
できる事を増やす
修繕キットや補修グッズが手に入り、ネット上にやり方があるので、いろいろ自分で繕っているそうです。
傘のちょっとした破れ、靴底のはがれ、網戸の張替え、鍋の取っ手のゆるみ、古い財布を染め直しなど。
布ぞうりを作ったら、だんだん上手になって、それに味を占めて洋裁教室に通うまでになったそうです。
そうまでするのは、自分でできることを一つでも増やしておけば、年をとってもきっとそんなに不安じゃないだろうと思うから。
「最後まで人生を楽しむつもり」だそう。
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私自身、金子さんの言う「ぽっかり」を、まだ埋めきっていない状態です。
金子さんほどアクティブではありませんが、自分に合った方法で、自分のやりたいことをボチボチやっていこうという気にさせられました。
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