仕事の時のみならず、周囲の人たちからの協力を得たい場面があります。
協力してもらうだけでなく味方についてもらいたいようなとき、どんなふうにすればいいのでしょうか。
脳科学者の中野信子さんは次のように語っています。
上手に褒める
フランス女性のAさんは大学院で音楽理論を学び、作曲家として活動しています。
音楽分野で活躍するには、自分だけがいい作品を作るだけではだめで、演奏家、プロデューサー、音響などさまざまな人の協力を仰ぐ必要があります。
Aさんは、自分の作曲家としての技術を磨くだけでなく、周りにいる人の心をつかむための努力を続けているそうです。
その方法とは、相手の「自尊心」をうまくくすぐること、つまり「上手に褒める」ことでした。
話を聞く
Aさんは、相手の話をよく聞くことを心掛けていました。
そうすると相手は、「この人は自分のことをよく理解しようとしてくれている」と信頼感を持ってくれます。
そして相手を褒めるとき、大事なのは「相手の話を聞いて、それに沿った形で、相手が満足するようにその人を褒める」こと。
学歴、肩書、勤め先といった表面的な部分を適当に褒めたりしてはダメなのです。
ここで失敗すると、相手はがっかりすると同時に、味方になってくれるどころかマイナスの感情を抱かれてしまう可能性も。
相手をしっかり観察し、相手の素晴らしい所を、心を込めて褒めてあげる。
すると相手は自分を褒めてくれた人に、ぐっと惹きつけられるとのことです。
ただ、褒め上手にも困った点はあるようです。
Aさんはあるとき、二人の男性から同時に求婚されて、1年近くも板挟みになって大変だったそう。
子ども相手でも
この話で思い出すのは、息子が小学生のとき。
参観日に子ども達が描いた絵(工作だったかな?)が展示してあったので、帰ってから「すごくよかったよ」と褒めたのです。
すると「どういうところが?」と冷静に聞き返されて、ぐっと詰まってしまったことがありました。
「よく観察する」というのを怠ると、小学生相手でも褒めの効果がなくなるという例ですね。
人を褒める、しかも相手が喜ぶようなことを褒めるというのは簡単なことではありません。
それだけに、うまくできれば確かに味方になってくれそうです。
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