筆記具を入れている引き出しを整理していたら、一本の万年筆が出てきました。
ドイツの筆記具メーカーが販売している、ペリカーノジュニアという子ども向けの万年筆です。
娘に買ったもの
これは娘が小学校5年生くらいのときに、梅田のロフトで買ったものです。
娘が使わなくなってから(すぐに飽きた)私が使用していましたが、引き出しに仕舞いこんで忘れていました。
この万年筆を見つけた時に「使っていないのだから捨てよう」とは全く思いませんでした。
これを使って娘と交換日記をしたこともあって(作文の苦手な子だったので練習になるかと)、思い出があるのです。
小説にも出てくる
娘に万年筆を買って、もう何年もたってからある小説を読みました。
私の好きな小説家、津村記久子の「職場の作法」という小説の中にペリカーノジュニアが出てくるのです。
転職を機に青のペリカーノジュニアを買い、あらゆる字を書く用途に使って同志のように思っていたのに、それを突然失くしてしまう女性の話です。
この小説を読んだとき、ペリカーノジュニアが欲しくなって、どんな万年筆なのかネットで検索しました。
すると、なんだか見覚えある形。もしかして。
娘に買った黄色い万年筆が、まさしくペリカーノジュニアなのでした。
インクが出ない時は
忘れていた万年筆が出てきたということは、何か書けということなのかと思い、使ってみることにしました。
カートリッジが空になっていたので新しいものと取り換えましたが、インクは出ません。
ペン先でインクが乾き、固まっているようです。
浅いお皿に水を入れ、ペン先をつけて放置していると、徐々にインクが溶け出してきました。
インクが出なくなるまで何度も水を替えます。
乾かして、新しいカートリッジを入れれば使えるようになりました。
※高価な万年筆の場合は専門家に任せた方が安心かもしれません。
古いけれど捨てたくない
キャップにはひびが入り、軸を差し込んでもカチッと音がしません。
キャップは差し込んでいるだけですぐに外れてしまうので、持ち運びは出来なさそう。
でも、じゅうぶん字が書けますし、以前に私が使っていたので書き味は滑らかです。
不用品は捨ててすっきり暮らすことを目標にしていますが、これは取っておきます。
万年筆を手にすると、何でもいいからどんどん字が書きたくなります。
よーし、書くぞ(何を?)。
コメントを残す