親が高齢になると、高齢者施設に入居の可能性を考えるようになります。
でも、どこを見て、どう選べばいいのかわかりません。
施設での虐待などのニュースを見聞きすると、こんなところはダメだと思うもののどうやって見分ければいいのか。
施設ケアの改善に長年取り組んできた専門家の話が新聞に載っていました(朝日新聞10/27)。
見るのは食事どき
本間郁子さんは公益財団法人Uビジョン研究所理事長。
第三者評価に基づく高齢者施設認証制度の普及に向けて活動しています。
本間さんによると、施設のケアの質はウェブサイトの説明や建物の外観ではわからないため、重要なのは見学だそうです。
一番見て欲しい時間帯は「食事どき」。
第1ポイントは職員の対応。
無言のまま食事介助していないか、笑顔で声掛けしているか。
そして、認知症の入居者に対して、幼児相手のような言葉使いをしていたり、思うように食べてくれないときに厳しく叱責する職員がいないかも見ておきたいところ。
何度か食事をするとスタッフも入れ替わるので、全体像がつかみやすくなるそうです。
第2ポイントは入居者の身だしなみ。
髪は整えられているか、目やにがついていないか、男性ならヒゲは剃られているか、服に食べこぼしがついかままになっていないか、爪は手入れされているか。
さらに、配膳の仕方がぞんざいに感じられるようなら要注意。
テーブルの布巾が清潔かどうかもチェック。
施設に依頼して1~2か月分くらいの献立を入手し、確認することを勧めています。
パンとごはんの選択ができるか、飲酒は可能か(健康状態に注意しつつ、晩酌できる特養もあるとのこと)。
一般的に、はっきりとした理由もないのに見学や情報提供を渋るような施設は要注意。
コロナ禍で見学が難しいけれど、感染状況が落ち着けばできる範囲で実施を、とのことです。
におい、離職率
コロナ禍でどの施設も換気には気を遣っているし、オムツの消臭機能も向上しています。
それだけに、尿臭を強く感じるようならオムツの処理や清掃が不十分な可能性も。
これまでに、どれぐらいの人数を施設で看取っているのか、緊急時の医師・看護師との連携はどうなっているかも確認しておきたいこと。
そして、介護職員の離職者があまりに多ければ、労働環境に問題がある心配も出てきます。
人材不足などの労働環境はケアの質と深くかかわるため、退職理由や職員の教育・指導体制などについても説明を聞くことが大切なのだそうです。
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